猫とのお別れ
自己愛性人格障害だったとはいえ、彼は自宅で飼っていた猫にはとても優しかった。
離婚した彼が傷心で実家に戻ったときに、いつも寄り添っていてくれたという存在でした(奥様の浮気が原因で離婚し、心がボロボロになったとお付き合いの前に言っていましたが、今となってはそれが真実かどうかわかりません)。
その猫は、最後の2週間くらいは低体温になっていて、毎日心配するメールを私に寄こしていました。
体温を下げないように猫に洋服を着せたいと言うので、
「もう要らないスウェットがあったら袖を切り、穴を4つ開けたら脚を出せるから即席の洋服になるそうだよ、テレビで見たよ」
と教えてあげました。
猫が息を引き取った翌日、彼は泣きながら仕事をしていました。
あれは演技ではなかったと思います。
ペットは人間ではないのだから、自己愛のマウンティングや嫉妬、攻撃対象にはならないはず。
彼とのお付き合いは、もう無かったことにしたい。
でも猫に対する愛情だけは真実だと思いたい。
私に対して愛情は無かったけど。
悔しいけど。
彼が優しい心もある人間だったと思いたい。